東京銀座の資生堂ギャラリーでユ ソラ展「もずく、たまご」が開かれている(4月9日まで)。本展は資生堂が主催する公募プログラム「第16回shiseido art egg」入選者3名による個展の二人目。3人の個展が終ったあと、一人にグランプリが与えられる。
ユ ソラは1987年韓国生まれ、2011年公益大学(韓国)彫塑科卒業、2020年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程修了。
資生堂ギャラリーのホームページより、
YU SORA(ユ ソラ)は、白い布と黒い糸を使った刺繍の平面作品や、家具やカーテンなど実物大の立体作品を組み合わせたインスタレーションで些細な日常に向き合う作品を展開しています。パンデミックや戦争、災害が続き、何気なく暮らす日常は儚く簡単に崩れてしまいがちです。本展ではギャラリー空間に生活の舞台である部屋を創ります。鑑賞者はこの舞台で自身の日常を重ね、その尊さを感じながら日常に思いを巡らすことでしょう。
刺繍で絵画を描いている。それは立原真理子を連想するが、素材に共通点があるものの印象は違っている。足で描いた白髪一雄、ボクシングのグローブで描いた篠原有司男、銃弾で描いたニキ・ド・サン・ファル、独特の方法で描いた画家はそれだけで評価される。しかし造形的には不自由な分完成度は低い。それらに比べ、刺繍という方法は造形的には悪くない方法だ。
写真は画像処理ソフトの影響でコントラストが強調されているが、実際はもっとぼんやりしている。ちょっと小林孝亘のシーツや枕を描いた絵画を思い出した。何か悪くない印象だ。
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ユ ソラ展「もずく、たまご」
2023年3月7日(火)-4月9日(日)
11:00-19:00(日・祝、18:00まで)
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電話03-3572-3901
https://gallery.shiseido.com/jp/