クロスビューアーツの濱田富貴展「天空と氷のかたち」を見る

 東京京橋のクロスビューアーツで濱田富貴展「天空と氷のかたち」が開かれている(3月2日まで)。濱田は1972年福岡県生まれ、2000年に武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コースを修了している。その後、カナダのアルバータ大学やアメリカのユタ州立大学で学び、2009年には文化庁からフィンランドに派遣されている。さらに昨年はノルウェーの北極圏に滞在して制作している。
 今回の制作について濱田が画廊のHPに書いている。

今展は2017年12月に個展を開催した際に発表した旧作品と、2018年3月~5月に
かけて、アーティスト・イン・レジデンスで滞在したノルウェーの北極圏スバールバル諸島で取材、制作した銅版画とドローイング作品の新作約6点を加えた展覧会となります。
この度、ノルウェーのソンヤ王妃が主催する版画コンペティション「クイーンソンヤプリントアワード」の協力で滞在したこのスバールバル諸島は、北極圏にあるノルウェーの群島で、版画スタジオがあるロングイェールビーンは、人口1000人以上の町としては地球上最北、北極点まで僅か1300キロという地点にあります。この極北故の特殊な自然環境は私の制作や生活に大きな影響を与えてくれました。
このノルウェーに関する作品については現在プロジェクトが進行中であり、極北の自然を大きく3つに分けたテーマに沿って制作しております。
今展では現地の氷洞で取材した「氷」に関する作品の一部を展示致します。
地下にある氷洞内は漆黒の闇です。ここをヘッドライト1つで進んでいきます。音も無く、光も無い静寂の空間で見つけ出した数々の造形をお楽しみ頂けましたら幸いです。

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 無数の木の実が連なるような作品は、ノルウェーの夜空の無数の星を重ねているというし、他の2つの作品は氷洞内の形を描いているという。今までの植物の形象化に加えて、天空や氷の世界まで取り込んでしまう濱田の造形を楽しみたい。
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濱田富貴展「天空と氷のかたち」
2019年2月18日(月)-3月2日(土)
11:00-18:30(土曜日17:00まで)日曜休廊
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クロスビューアーツ
東京都中央区京橋3-4-2フォーチュンビル1F
電話03-6265-1825
http://gnatsuka.com/
※ギャラリーなつか入口から入る