辻忍の木彫がおもしろい


 東京表参道のギャラリーSTORKSで辻忍展が開かれている(5月18日まで)。辻は1961年、東京都生まれ。1984年に東海大学教養学部芸術学科を卒業している。1989年に銀座のギャラリーミハラヤで初個展、以来ときわ画廊やギャラリークラマー、横浜のギャラリーKなどさまざまな画廊で個展を開いている。グループ展への参加も数多い。
 辻は木彫作品を制作しているが、寄木作りのような作品と一木作りのものと、2つのタイプを展示していた。寄木作りのようなものは、形を作りながら足りない部分を継ぎ足していくのだという。しかも一度完成して発表したものでも何度も手を入れて別の形のものに作り替えたりしているという。






 DM葉書にある作品が見当たらないので訊くと、これに作り替えたのだとひとつの作品を指さした。なるほど、そう言われれば確かにこの作品だが、違っているところもずいぶんある。保管場所の問題もあるので、よほど気に入ったものでないと手を入れて別の作品にしてしまうのだと言う。
 ほかに一木作りの細長い造形作品が2点設置されていた。ギャラリーの空間がベランダを利用しているので、いわゆるホワイトキューブの画廊空間と違って背景が多少なりともうるさいのは仕方ない。
 辻は複雑な形をみごとにコントロールして美しい造形を作り出していた。会期が明日までなので時間がないが、ぜひ見てほしい。
 画廊は表参道駅B1出口を出るとスパイラルの前になる。渋谷方向に進んで南青山5丁目交差点を左折、骨董通りを徒歩7分ほどでT・Iビルに着く。その4階になっている。岡本太郎記念館のごく近くになる。
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辻忍展「二つの彫刻」
2015年5月8日(金)〜5月18日(月)
12:00〜19:00(火曜日休廊、最終日16:00まで)
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ギャラリーSTORKS
東京都港区南青山6-2-10 T・Iビル4階
電話03-3797-0856
http://www.gallerystorks.com