養清堂画廊の辻元子展を見る

 東京銀座の養清堂画廊で辻元子展が開かれている(7月22日まで)。辻は1997年女子美術大学洋画専攻を卒業し、1999年に東京芸術大学大学院版画専攻を修了している。1997年から版画協会展に出品し、その年山口源新人賞を受賞していて、2005年に会員となる。1998年養清堂画廊で初個展、以来、版画協会展をはじめ日本各地や海外で発表している。

 養清堂画廊では今回で11回目の個展になるという。ほぼ2年に1回の個展を開いてきた。

 今回の個展について、辻の言葉。

空き瓶をモチーフとした作品が多くある。

どこへでも流れていける液体の自由さなど顧みず、

その引き立て役になっているような不思議さが空き瓶にはあり、

その一本一本につまっているはずの〈記憶〉を感じながら、

作品をつくった。

 



 辻の特徴は情熱的な赤色だった。今回も赤色は使われているが、寒色の作品も多い。辻にそのことを問うと、赤ばかりだと暑苦しい感じがして、と韜晦した。「空き瓶」に関する辻の言葉と併せて、私には辻の何か環境に関する変化があったのではないかと想像してしまう。勝手な想像で何の根拠もないのだけれど。

 どんな抽象的な作品にも作家の心情は現れるのではないか。

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辻元子展

2023年7月10日(月)-7月22日(土)

11:00-18:00(最終日15:30まで)日曜・祝日休廊

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養清堂画廊

東京都中央区銀座5-5-15

電話03-3571-131

https://www.yoseido.com/