道路を渡る蛇をうたった短歌

 道路を渡る蛇をうたった短歌が朝日歌壇に載っていた(12月3日)。


晩秋の蛇とおもえば見守りぬ渡りおえるまで単車を停めて   西屋富美子(防府市

 道路を渡る蛇を単車を停めて見守っている。その情景は、渋谷の老いた女王猫アマテラスが、死に場所を求めて渋谷から明治神宮の森を目指してファイアーストリートを登り、車が途切れることのない道路を横断しあぐねているのを、渋谷からその後をつけてきた脚本家の早坂暁が道路に飛び出し、体を張って猫を横断させ、その最後の地明治神宮の森へおくったエッセイを思い出す。それは文句なしの名文だ。


村松友視「アブサン物語」を読む、その他早坂暁の名文(2008年2月27日)
早坂暁「公園通りの猫たち」を読んで(2009年5月15日)


公園通りの猫たち (早坂暁コレクション)

公園通りの猫たち (早坂暁コレクション)

嫁ぐ猫―公園通りの猫たち、それから

嫁ぐ猫―公園通りの猫たち、それから