東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで上岡ひとみ展が開かれている(3月30日まで)。上岡は1983年埼玉県生まれ、2006年女子美術大学大学院美術研究科美術専攻立体アート学科紙・繊維専攻修了、その後数年間ドイツとフランスへ留学している。2004年に神奈川のギャラリーで初個展、その後はベルリンとパリのギャラリーで個展を開いてきた。日本での個展は久しぶり、東京では初めての個展となる。
展示構成についての上岡の言葉、
壁面作品は自身の工房周辺の水田で採取したコシヒカリの稲藁でできています。立体作品は工房周辺の麦畑で採取した麦藁できています。水中に原料を溶かすと、稲や麦が生命を宿したように動き周りました。この2 種類の繊維を原料として展覧会を構成しています。
展覧会のテーマについては、
展覧会では「命の起源の神秘性、そしてそれを人為的に作り出す行為とは何なのか」 ということに焦点を当て、作品に落とし込みたいと考えております。一昔前では諦めていたことが、医学や化学技術の進歩によって明らかにされ、可能性を広げてく れている。そのような角度からこの社会を見ると、この社会には希望が溢れているのだと考えるようになりました。人間の欲望、願望は研究によって常に進化し、命の神秘性をも作り出すことができる。人間が奇跡や偶然を作る行為とはどのようなことなのだろう。生命の源のような米や麦の繊維を原料に作品をつくってみたいと考えました。
左手の壁に大きなレリーフが設置してある。これが稲わらで作ったものだという。画廊の中央には円筒形の作品がクルクルと回っている。これは麦わらで作ったという。
稲わらや麦わらという素材にこだわって作品を制作している。作品とテーマとの関連が分かりづらかったけれど、造形として面白かった。
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上岡ひとみ展―Melting Time-
2024年3月25日(月)―3月30日(土)
10:30-18:30(最終日17:00まで)
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ギャルリー東京ユマニテbis
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビルB1F
電話03-3562-1305