晶文社創立50周年

 晶文社が創立50周年を迎えたと大きな新聞広告を出していた。大きなとはいえ、朝日新聞の全5段。これはその一部だ。

 晶文社の本が好きだった。書店で犀のマークを見ると手に取らずにいられなかった。佐藤信の「あたしのビートルズ」「嗚呼鼠小僧次郎吉」「安倍定の犬」「キネマと怪人」「ブランキ殺し上海の春」等は今も大事な蔵書だ。ヴァルター・ベンヤミン著作集、「文学のおくりもの」のシリーズ、マックス・ホルクハイマーの「哲学の社会的機能」、リュシアン・ゴルドマンの「全体性の社会学のために」……。みな30年以上前の本だ。
 それがここ10年間は1冊も買ってないのではないか。私の興味が変わったのか、晶文社の出版方針が変わったのか。
 以前は秋葉原お茶の水の中間の神田川添いの古い木造家屋が晶文社の本社だった。今は神保町の方へ移ったらしい。当時、その古い建物へ営業担当の萬洲さんを訪ねて行って、出版営業について教えを乞うたことを思い出す。
 晶文社といえばブックデザイナーの平野甲賀の仕事に触れないわけにはいかないが、それは後日にしよう。
 最近は全く購入してないとはいえ、好きな出版社の一つだ。新刊情報には注意してくつもり。