長谷川潔展

横浜美術館長谷川潔展を見る。


長谷川の線は美しく、メゾチントもこの後見た駒井哲郎より見事だ。
しかし、私には長谷川の本当のすごさが分からない。


たけだ美術の武田さんは、長谷川は500年に1人現れる北斎以来の天才だと言う。
それに対して駒井は格が違うという。
確かに駒井の作品は1点70万円だが、長谷川は900万円もする。


その後見た常設には駒井の作品がたくさんあった。
「束の間の幻影」とか代表作もあったが、樹木の作品もあった。裸木が何本も描かれているものだ。
ギャラリーアポロの秋山さんは、この樹木の版画は作品として劣ると言う。確かに異質だ。
秋山さんは、駒井はかつて年上の人妻と交際しており、そのデートの場所が有栖川宮記念公園であって、そのことの記念にこれらの樹木を描いたのだろうと推理していた。
説得力のある推論だった。