ギャラリースペースしあんの桑原理早展が良かった

 東京東上野のギャラリースペースしあんで桑原理早展が開かれている(6月29日=今日まで!)。桑原は1986年、東京都出身。2013年武蔵野美術大学大学院造形研究科日本画コースを修了している。昨年、東京京橋のアートスペース羅針盤で初個展を開いている。
 今回は東上野のギャラリースペースしあんで2回目の個展を開いているが、ここはJR御徒町駅近くにあり、一般の民家を改装したギャラリースペースだ。その和室の壁面に合わせてドローイングを描き展示している。桑原によると、フルート奏者赤羽彩の演奏を聴いて作品をイメージし制作したとのこと。会場では毎日ほぼ2回赤羽のフルート演奏会を開催している。




 桑原のドローイングはコンピューター用語のレイヤー(階層)を思い出させる。複数のポーズのモデルの姿を1枚の画面に重ね合わせて、複雑な空間を作っている。頭を数えれば何人が描かれているか見当がつくが、この手や足がどの人物のものか直ちには分からない。その複雑さが小気味良いほどだ。
 何人かのモデルと書いたが、以前聞いたところでは一人のモデルを重ね合わせているという。複雑さと重ねられたバランスがよく調和し成功していると思う。会期が今日一杯なのがちょっと残念だ。多くの人にみてもたいたかった。
       ・
桑原理早展「ここに いるかもしれない」
2014年6月24日(火)−6月29日(日)
12:00−19:00(最終日は18:00まで)
       ・
ギャラリースペースしあん
東京都台東区東上野1-3-2
電話03-5812-3632
http://www.siang.jp/
JR山手線・京浜東北線 御徒町駅北口より徒歩10分
東京メトロ日比谷線 仲御徒町駅3番出口より徒歩10分
都営地下鉄大江戸線 新御徒町駅A1出口より徒歩1分