朝日新聞のコラム「古田徹也の言葉と生きる」が、「〇〇感、独特の面白さも」と題して書いている(11月26日)。
昨今濫用されがちな「〇〇感」という言葉だが、この種の言葉には独特の面白い側面も見て取れる。
たとえば、ファッションの分野などでいま頻出している言葉に、「抜け感」というものがある。かっちりときめ過ぎず、部分的にわざと隙を(つまり、抜けを)つくることで生み出される、堅苦しくもなく野暮でもない雰囲気のことだ。これはかつて九鬼周造が「いき(粋)」という言葉で言い表そうとしたものに非情によく似ている。(後略)
私が「抜け感」という言葉を知ったのは画家の花田伸さんからだった。有楽町の駅前のブティックのショーウインドウに下のようにブラウスを羽織るマネキンが飾られていた。
それまでも若い女性がブラウスの一部をパンツに挟んでいるのを見ていて、あわててトイレから出てきたのかななどと思っていたが、それが何人もみかけたので何だろうと思っていた。ショーウインドウの写真をfacebookに載せてこれはなんでしょうと問うと花田さんが教えてくれた。
キーワード「抜け感」というのがあるようです。シャツを全部入れると、きっちりした感じになり、それをすこし崩して自然感ナチュラル感をだすということらしいです。もちろんシャツのデザインにもよると思いますが。家庭科の先生に聞いてみました。シャツをボトムに入れることにより、視覚的にウェストラインを上にもってくる。そして後ろはお尻を隠す、ということ。シャツを全部入れると、見せたくないラインもはっきりするのでそれは嫌。ということらしいです。雑誌やインフルエンサーによって広まったスタイルでしょう。
知らなかった「抜け感」という言葉を知ったのだった。