東京京橋のギャラリー川船で「60〜70年代 現代美術 俯瞰展」が開かれている(5月2日まで)。そこに柴田和の作品「BLACK BOX II」のマケットが展示されている。マケットというのは普通彫刻の試作のための模型を言う。この作品はマケットのほかにエスキース(下絵)も展示されている。作品の説明には、
BLACK BOX IIのマケット
(1970年)
一辺2.7mの立方体とその影、
裏側に廻れば公衆トイレ
と書かれている。
柴田によれば、これは実際に作られて公衆トイレとして使われたものだという。手前に花畑があり、そこに立方体の構造体がある。それは裏側に入口があるトイレなのだという。天井はガラスで採光機能がある。右側にある三角形は立方体の構造物の影を表していて、その影が途中から立ち上がっているのだという。
現物はすでに撤去されてしまっているというが、トイレ機能がない小型の作品が横浜の野毛山の途中にまだあるはずだとのこと。
柴田の話を聞いていると、この作品のように、変わったアイディアの作品がまだまだいっぱいあるようだ。今回の展覧会にも、この他に2つのマケットと椅子の作品が展示されている。
柴田はユニークな作家だと思って話を聞いていると、フライフィッシングでは日本でも屈指の釣師らしい。作家と釣師では釣りの方が有名ではないか。ちょっと強面に見えるが愛妻家でもあり、若い頃はもてただろうことが想像される。いや、作家としても面白いし、人間性も魅力があることを言いたかったまでだ。
柴田和の椅子の作品
・
「60〜70年代 現代美術 俯瞰展」
2015年4月20日(月)〜5月2日(土)
11:00〜19:00(日曜・祝日休廊、最終日17:00まで)
・
ギャラリー川船
東京都中央区京橋3-3-4 フジビルB1
電話03-3245-8600
http://www.kawafune.jp/