金井久美子・金井美恵子『鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパーティーへようこそ』を読む

 金井久美子・金井美恵子『鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパーティーへようこそ』(中央公論新社)を読む。画家と作家の金井姉妹がホステス(?)になって、9名の作家たちと鼎談をしている。順番に蓮見重彦武田百合子西江雅之大岡昇平山田宏一、フィリス・バンバウム、篠山紀信巌谷國士平岡正明という錚々たるゲストたち。

 ただし鼎談は雑誌『話の特集』1979年から1981年にかけて行われた。本書の発行は2021年とほぼ40年ぶりの単行本化だ。なぜこんなに時間が空いたのか?

 当時金井姉妹は30代前半、若かった。蓮見重彦とはプロ野球談議、なんでこの3人の野球談議を聞きたいのか。山田宏一とは当然映画の話。篠山紀信とは「激写」の話題。ここで撮影の後でやっちゃうか否かと話しているが、それを「後技」と言っている。これは「後戯」ではないのか。さらに「あの人の場合はシェリーを撮るみたれにちゃかちゃか飛び廻ったら~」と言っているが、これも「撮るみたいに」ではないか。巌谷國士とはシュルレアリスム論。平岡正明とは山口百恵論を語り合っている。

 鼎談後40年間も単行本化されなかったのは端的につまらなかったからだろう。どこの出版社も手を出さなかった。ゲストの相手をするのが金井姉妹という二人というのもマイナスだった。話題がぼけてしまう。決定的なのは金井姉妹に話題を掘り下げる力がなかったこと。無理もない、二人ともまだ若かったから。

 前回読んだ『銀座Hanako物語』に続いて外れの読書だった。