東京銀座6丁目の銀座スルガ台画廊で松田一聡展が行われた(10日まで)。松田は油彩で具象画を描いているが、その極めて優れた描写力に感嘆した。
松田は1973年京都生まれ、東京芸術大学大学院油画技法材料研究室を2000年に卒業している。個展は6年前にこの同じ画廊の新人選抜「レスポワール展」に選ばれて行っている。どうしてこれだけ力量のある画家が今まで脚光を浴びなかったのか不思議な気がする。
蛇の絵が2点、大きな木の枯株を這い登っていく縞蛇を描いている。古い枯株の木肌の質感、縞蛇の爬虫類特有の肌の感じ、驚くべき描写力だ。この縞蛇は雄であることが、尾が細く長いことで分かる。樹木でも草を描いても正確な観察力で再現している。
数年に1度の個展などではなく、せめて2年に1度は個展を開いて見せてほしい。
ここまで書いて、念のため過去の展覧会の記録を調べてみたら、松田のDMハガキにレスポワール展が2004年とあるのは本人の勘違いで、2005年の4月だった。当時の私の記録にも巧い画家だと書いてある。2005年のDMハガキを下に掲載する。
松田一聡展
2010年7月5日〜7月10日
銀座スルガ台画廊
東京都中央区銀座6-5-8トップビル2F
電話03-3572-2828