朝日新聞7月11日の「声」欄に「虫刺されの痛み痒みに朝顔の葉」と題して、東京都江東区に住む無職68歳の八巻勇氏が投書している。
虫刺されに朝顔の葉汁が効くと知ったのは学生の頃、志賀直哉の随筆「朝顔」の一節「葉が毒虫に刺された時の薬になる……痛みでも痒みでも直ぐ止り」というのを読んでからである。
数年前、読み返した時に、小説の神様が嘘をつくはずはないから、その効果のほどを確かめたくなって、朝顔の葉を5、6枚取ってきて実際に試してみた。「朝顔」に書いてあるように、両の手のひらでもむと、ねっとりした汁が出てくる。それを葉と一緒に刺された個所に1回擦りつけただけで、かゆみがピタリと止まった。市販の薬より効果抜群だ、と私は思っている。
朝顔は葉がたくさんあるから、一度に2、30枚もぎとってきて、ビニール袋に入れて冷蔵庫に保管しておき、蚊に刺された時に取り出して使ったが、効果は変わらなかった。蜂にもよく効くと書いてあるから、間違いはないだろう。
以前やはり朝日新聞の投稿欄に、「毒虫に刺されたときの対策」(2009年3月22日)というのがあり、ここに紹介したことがある。この場合も大変興味深い療法だった。まだ試してみてはいないが。
(ハチに)もし刺されたら、すぐ殺した親バチの体液を刺された所へぬり込めば、5分か10分で痛みも、はれもなく治ります。
はれてきたら手遅れですので刺されたら、手早く親を捕まえることです。足長バチ、みつばち、さそり、ムカデなどの害虫にやられた時は、その虫の体液をぬり込むことが解毒法です。
この方法は第2次大戦で南方作戦中、現地の人から学び、会得した貴重な体験です。
民間療法というのを見直した方がいいのかもしれない。