うしお画廊のコノキ・ミクオ展を見る

 東京銀座のうしお画廊で「虎・虎・虎 コノキ・ミクオの金虎展」が開かれている(7月15日まで)。コノキは昭和12年(1937年)生まれ。千葉県匝瑳市の松山庭園美術館のオーナーでもある。今回は個展のタイトルにもあるように虎をテーマにしている。3年前はみゆき画廊で鉄の立体を展示していた。
 コノキの虎は芦雪の虎を思い出させた。ちょっと猫に似ていて可愛いのだ。いや、可愛いと同時に迫力もある。立体作品は「魚屋のトラ」とある。



 コノキ・ミクオは『月刊ギャラリー』に毎号詩を連載している。それもとても良い。7月号の詩を引用する。

    安全文化



ねえ 先生
虎・虎・虎展なんか 駄目だよ
真珠湾の戦争を思い出しちゃうじゃないか
それに
女 裸にして 絵描いたり 写真撮ったり
突拍子ないもの 捻(ひね)くれたものを集めたり
鉄屑転がして 変な物造って笑っていたら
怪しまれるよ
おまけに
仲間でワイワイしていたら
共謀罪と言われるよ
お巡りさんが 飛んでくるよ


否(いや)― 芸術なんだ アートだ!
前衛というんだ!
それくらいの事 解ると思うよ


否(いや)− 戦争の好きな人には忖度はないよ
危ねえ 危ねえ
日本国民の皆んなが皆んな
野球 ラーメン お笑い ゴルフなんだ
解かる文化が 安全なんだよ
芸術だって綺麗じゃなくちゃあ解らないさ


ねえ 先生
危ねえ 危ねえ 危ねえよ

     ・
「虎・虎・虎 コノキ・ミクオの金虎展」
2017年7月10日(月)〜7月15日(土)
11:30〜19:30(最終日17:00まで)
     ・
うしお画廊
東京都中央区銀座7-11-6 イソノビル3F
電話03-3571-1771
http://www.ushiogaro.com/