日本を代表する料理は?

 中尾佐助が世界の料理を分析して、どこの国の料理も何かの味にステインされていると書いていた。ある基本的な味に汚されている、覆われているというような意味だった。具体的には、ヨーロッパは動物性油脂に、インドはカレーに、そして日本は砂糖にという驚くべき結論が示されていた。そんなことをオフ会で会った横浜逍遙亭(id:taknakayama)の中山さんとhayakarの日記(id:hayakar)のhayakarさんに話した。次にジェシカ・クーパー編「人類学者のクッキングブック」(平凡社)を紹介して、世界各国のそれぞれ代表的な料理を1点だけ挙げて、その概要とレシピを書いている本です。日本の料理は訳者で文化人類学者の石毛直道が紹介しているけど、どんな料理が選ばれていると思いますかと質問した。
 なんと中山さんが一発で当ててしまった。正解はカツ丼だ。中山さん、どうして分かったんですか? 最初の話で日本の味は砂糖だということだった。外国人も日本の料理は甘いと言う。だったら丼ではないか、それでカツ丼だと思った。すごい!


 ちなみに本書が紹介する主な国の代表的料理は次の通りだ。
 フランス:干ダラ料理(ストックフィッシュ)、ギリシア:ミルク・パイ(ギャロピタ)、エーゲ海:チーズ・ケーキ(メリテラ)、スペイン:豚肉(オイリヤとハム)、デンマークのフェロー島:ニシツノメドリのロースト、トルコ南部:砕いた小麦粉に香辛料をきかせたサラダ、イスラエル:ナスのトマトソース煮、ヨルバ族:ヤムイモ料理、カメルーン:豆プディング、ナイジェリア:セサミ・チキン、ガーナ:ピーナッツ・シチュー、シエラレオネ:アブラヤシのソースとココナッツ・ライス、チャガナ・エスキモー:魚のチャウダースリランカ:ミルク・ライス(プカイ)。


 ちょっと話が変わるけれど、昔新宿区大久保あたりに国際留学生会館があった。その近くに留学生を相手にしているような安いヴェトナム料理のレストランがあり、入ったことがある。驚いたのは魚料理だが、背骨ごと身をぶつ切りにしていた。それから豚の耳の料理があった。これは沖縄料理と共通する。まさかこれらが代表的なヴェトナム料理ではあるまいが、ヴェトナムの庶民料理ではあるのだろう。