東京銀座のコバヤシ画廊で西成田洋子展「記憶の領域2023」が開かれている(11月25日まで)。西成田は茨城県生まれ、1987年より東京、水戸、ニューヨークなどでもう30回以上も個展を開いている。作品は大きな奇妙な立体で、古着などを縫い合わせて造形している。
壁面に展示された作品(1)がとても良い。その柄物の布を表面加工したマチエールが妖しく美しい。床に置かれた丸い作品(2)もフジツボに似た造形で、子供のバレーシューズを組み込んでいるという。完成度が高い印象だ。
やはり床に置かれた白い袋状のものを二つ繋いだ作品(3)も完成度の高さでは(2)に劣らず優れている。
画廊の中央に高さ270cmもある作品(4)が立っている。これは細部が素晴らしかった。
以前西成田の作品について、次のように書いた。それを再録する。
西成田の作品は一見おどろおどろしい印象を与えるが、実は聖性を宿している。観世音菩薩が卑しいものにやつして現世に現れ、これはと見込んだ正しく貧しい者の前にその聖なる姿を現わす、まさにその一瞬を造形しているのではないか。
・
西成田洋子展「記憶の領域2023」
2023年11月20日(月)―11月25日(土)
11:30-19:00(最終日17:00まで)
・
コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/