熊谷はるか『JK、インドで常識をぶっ壊される』を読む

 熊谷はるか『JK、インドで常識をぶっ壊される』(河出書房新社)を読む。中学3年で父親の転勤に伴ってインドへ移住し、インターナショナルスクールへ入ってインドで3年間を過ごした記録。インド人とのつき合い、インド人の食事、メイドたちとの生活、インドの商店やレストランの様子など、驚くことばかりだ。

 私も40年ほど前に仕事でインドに2週間ほど滞在したことがあり、その時のカルチャーショックでインドがすごく気になる国になり、帰国してからインドに関する本を50冊以上読んだ経験があった。そいう意味ではインドについては結構知っているつもりだったが、熊谷はるかはインドのストリートチルドレンを救済するサービスクラブに参加し、スラムへ入っていく。その経験は初めて聞いたものだった。そのことが本書を単なるJKのインド滞在記を越えた記録に仕上げている。

 熊谷は帰国後「出版甲子園」に応募し、大会史上初となる高校生でのグランプリを獲得して出版に到った。私もわずか2週間だったが、インドでの滞在はカルチャーショックの連続だった。それを熊谷は3年間経験した。面白くないはずがなかった。