セミを食べる人

 ベランダに落ちゼミがあったらしく飼っている猫「チビ」が獲ってきた。しばらくジージー鳴いていたが、静かになったので見ると2枚の羽根と脚が1本、そして眼のところだけが残っていた。
 娘が嫌がってまるで昆虫学者のようだねと言う。そう言えばそんな昆虫学者がいたことを娘に教えた事があった。あれ何て名前の人だっけ? と娘に聞くと、チビじゃないの。それはうちの猫だ。たしか青森県出身の北の方の大学教授だった。北大でミツバチを研究していた坂上昭一ではなかったかと調べてみると出身が青森ではなかった。分からない。
 その先生は青森県の貧しい山村の出身で、タンパク質の摂取のため貧しい長野県の農村同様ふだん昆虫を食べていた。しかしセミを食べていたというのはさすがの長野県人も驚いた。成虫の羽根をむしり焼いて食べるのだという。セミの種類によって味が違うとも書いていた。
 昆虫食のセンターは長野県の南部だよと娘は言うが。いやいや青森県だってなかなか侮れないかも知れないよ。