ハッタリがばれたとき

 われわれの勤めていた会社が新しいビルに引っ越したあと、経営者が言った。電気代がいくらか分かるか、月に○十万円だぞ、これからは電気を倹約して使え! ナイーブな社員が質問した。それってうちの会社だけですか? いや、このビル全体だ。われわれの会社は6階建てのビルのワンフロアーだけを借りていた。経営者はふだんからハッタリ屋だった。みないっぺんに白けて倹約の心構えなんか消し飛んでしまった。
 そう言えば若い頃から「人生はハッタリだ」とうそぶいていた奴もいたが、結局彼も大成しなかったなあ。