医者を無条件で信じた結果

 むかし田舎で偉いのは医者と坊さんと教師だった。医者と教師は先生と呼ばれ、坊さんと医者には様をつけて呼んだ。お医者様、和尚様と。坊さんは渕静寺様のように寺の名前に様をつけて呼んだ。さて自分でいうのも何だが私は素直な性格なのでどんなこともあまり疑うことがなかった。。
 ある時数年ぶりに会った取引先の社長から見違えました、分からなかったと言われた。髪が少なくなりましたからと答えると、それより太りましたね、顔が丸くなったから分からなかったと言う。オレ少し太ったけど顔が丸くなったんだと驚いた。
 花粉症はある年の2月に突然始まってそれがずっと続く。私も50歳を過ぎた2月に突然花粉症が始まった。もう20年以上行きつけの開業医のところへ行って薬を処方してもらった。内服薬がジルテックセレスタミン、それに眼薬と点鼻薬だ。よく効く薬でほとんど自分が花粉症であることを意識しなかった。
 患者同士はふつうに情報の交換をする。花粉症患者の知人とどんな薬を使っているか話していると、私が処方されたセレスタミンは飲んじゃいけない薬だという。早速ネットで検索すると、セレスタミンステロイドで重症のとき数日間に限定して服用することとあった。副作用として肝臓疾患、ムーンフェイスなどとある。ムーンフェイス、満月のように顔が丸くなる症状! 冗談じゃない、毎日もう2シーズン半も服用している。
 別の医者に行ってこのことを話すと、セレスタミンを常用させるなんてとんでもないと言う。血液検査をして肝臓障害を調べられたがそれは大丈夫だった。お医者様でも無条件に信じてはいけないらしい。顔が丸くなったのが副作用かどうかは分からなかった。