年末の頃正月向けに安い盆栽が植木屋さんに並ぶ。よく見ると太い幹が20〜30センチくらいの高さで切られ、それに枝がたくさんついている。これは即席盆栽で、業界用語で「ズドン盆栽」と呼ぶ。
即席盆栽は畑でゆったりと育てられる。数年で太く大きくなる。それを20〜30センチくらいの高さで切断し、小さな鉢に植える。ここから2〜3年かけて形を整える。ちょっと見には盆栽らしく見える。しかし、遠目にはともかく、太い幹が途中で断ち切られているのでよく見ればすぐ分かる。。これが安価な即席盆栽の作り方だ。
本当の盆栽はこれとは違う作り方をする。苗の時から大きくならないように育てる。土を切りつめ幹や枝の剪定をくり返し、ゆっくり時間をかけて育つようにする。一番のコツは鉢を小さくして土の量を必要ぎりぎりにすること。生長に時間がかかり、木に年齢が与えられ風格が生まれる。盆栽は即席ではできないのだ。
ズドン盆栽、ちょっと小馬鹿にしたうまい命名だ。