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読者投票1位のSF「星を継ぐもの」を読んで

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2009年に「創元SF文庫を代表する1冊は何か?」という読者アンケートで1位を獲得したというジェイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」(創元SF文庫)を読む。読み始めてすぐのシーン、月面の岩山を倒れそうになりながら歩く男の姿をかすかに記憶している気が…

レイ・ブラッドベリのSF「火星年代記」を読んで

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今月、レイ・ブラッドベリ「火星年代記〔新版〕」がハヤカワ文庫から発行されてそれを読んだ。〔新版〕と表示されているのは、巻末の解説によると、1997年に原著を米国エイヴォン社から発行し直した際、 旧版では「1999年1月 ロケットの夏」とあった年代が…

日本の新しいSF「虐殺器官」への評価

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ハヤカワ文庫から2月に発行された伊藤計劃「虐殺器官」が6月でもう11刷を重ねている。本書が単行本で発行されたのが2007年、これが伊藤計劃の処女長篇であり、しかし作家はその後長篇を2篇残して2009年に35歳で亡くなってしまう。巻末の大森望の「解説」…

ハインライン「悪徳なんかこわくない」はTSの世界だ

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悪徳なんかこわくない 上 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-6)作者: ロバート A.ハインライン,矢野徹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1977/09メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (13件) を見る悪徳なんかこわくない 下 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-7)作者:…

スタニスワフ・レムが参照したレイ・ブラッドベリ

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スタニスワフ・レム「ソラリス」は、惑星ソラリスの知性が、調査に訪れた人間の無意識を探って、隠されていた記憶から恋人や赤ん坊のリアルな像をを作り出すSFだ。原作は1961年に発行された。 レイ・ブラッドベリ「火星年代記」(ハヤカワ文庫)の原作は1946…

スタニスワフ・レム「宇宙飛行士ピルクス物語」

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スタニスワフ・レム「宇宙飛行士ピルクス物語」(ハヤカワ文庫)上下巻を読む。28年前に単行本で発売されたものの初文庫化。一応SF小説だが、もっと深い哲学的な小説なのだ。2006年に84歳で亡くなってしまったが、ノーベル文学賞はレムにこそ与えるべきだっ…

「マトリックス」のオリジナルは?

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「マトリックス」や「攻殻機動隊」「ブレードランナー」のアイデアである「脳だけの存在になった人間とコンピュータを結んでバーチャルな体験を実人生だと思わせているというストーリー」はスタニスワフ・レムや筒井俊隆がオリジナルだと以前書いた(id:mmpo…

スタニスワフ・レム「大失敗」書評

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昨年亡くなったポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの最後の長編「大失敗」が翻訳出版されたのは今年の1月末。日本経済新聞に沼野充義氏の書評が載ったのが3月11日だった。朝日新聞には4月1日に山下範久氏が書評を書いた。 まず沼野充義氏の書評。 ………

「浴槽で発見された日記」

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橋村奉臣さんの1000年後の世界を想定した写真集「HASHIGRAPHY」を見て、昔読んだスタニスワフ・レムの「浴槽で発見された日記」(集英社)を思い出した。とうに手放してしまったので、ネットで検索すると古書で8,000円もする。しかたないので図書館から借り…

天の声、無意識

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20年ぶりくらいでスタニスワフ・レムのSF「天の声」を読み直した。 本当に読んだっけと思ったくらい何も覚えていなかった。 何日かかけて読んでいる途中、ある夜夢を見た。 ビルのエレベーターに乗り込んだ。中には見知らぬカップルが乗っていた。ビルは7階…

スタニスワフ・レム

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あまり皆がほめるのでビデオを借りて、やっと「マトリックス1」を見た。これは「ブレードランナー」じゃんと言うと、事情通がいや「攻殻機動隊」だと教えてくれた。で、それも見た。 もう40年も昔「SFマガジンベスト」で筒井俊隆の短編を読んで強烈な衝撃を…

スタニスワフ・レム訃報

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昨日(27日)スタニスワフ・レムが亡くなった。 最高のSF作家の一人だった。 ポーランド生まれ、天才少年。 「金星応答なし」「エデン」「ソラリス」「浴槽で発見された手紙」「天の声」「完全な真空」「虚数」「高い城」「泰平ヨンの航星日記」「枯草熱」「…