東京京橋のギャラリー檜B・Cでシマヅヨウ展「脈の感じ」が開かれている(1月20日まで)。シマヅヨウは1962年兵庫県生まれ、1986年に武蔵野美術短期大学専攻科を修了している。1986年より個展を続けているという。最近は毎年ギャラリー檜Fで個展を開いていたが、今回は広い檜B・Cを会場に選んでいる。
シマヅは木彫で極めて複雑な造形をしている。シマヅはいつも一木造りなので、どうしてこんなに複雑な形が可能なのか画廊の方に聞いてみた。一木だが枝まで利用しているという。なるほど、するとこれは私の想像だが、枝ぶりの面白い太い木を選んで、その枝ぶりを生かした造形をしているのだろう。
人物像で人気のある棚田康司も一木造りだ。一本の木から作品を彫り出している。シマヅも棚田もこの一本の木から彫り出すというのが大きな特徴でかつ制約になっている。棚田はごく太い木を使い、その太い木の直径の中で人物を彫り出す。その制約のために自由なポーズを選べない。ポーズは木の直径に拘束されることになる。
シマヅも複雑な枝を生かす造形にならざるを得ない。自由に形を選ぶのではなく、選んだ木の枝ぶりに拘束された造形にならざるを得ない。シマヅはその複雑な造形を彫り出すきわめて優れた木彫技術を持っている。だが、それが技術に淫することになっていると見るのは酷だろうか。
・
シマヅヨウ展「脈の感じ」
2024年1月11日(木)―1月20日(土)
11:30-19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
・
ギャラリー檜B・C
東京都中央区京橋3-9-9 ウィンド京橋ビル2F
電話03-6228-6361