読売新聞年末恒例の“書評委員が選ぶ「2022年の3冊」”から

 読売新聞年末恒例の“書評委員が選ぶ「2022年の3冊」”が掲載されている(12月25日付け)。書評委員20人が今年出合った「これぞと思う3冊」を挙げている。その中から気になったものを拾ってみる。

 

*春暮康一『法治の獣』(ハヤカワ文庫)

 小川哲・選

本書は今年を代表する国内SF小説。地球外生命とのファーストコンタクトを軸に、コミュニケーションの本質に迫る作品。

 小川哲が推薦するSFなら読まねばなるまい。

 

*並木浩一、奥泉光旧約聖書がわかる本』(河出新書

 森本あんり・選

そういう(アメリカの政治家たちの欺瞞と愚かしさと民主主義を検証した本、クレイグ・ウィットロック著『アフガニスタン・ペーパー図隠蔽された真実、欺かれた勝利』岩波書店アメリカの政治批判の伝統こそ旧約聖書の予言者的特質だと教えてくれる本。はたして現代日本に政治権力から独立した知識人層は京成されているのだろうか。

 私も以前ブログで紹介した。

 

*毬矢まりえ『ドナルド・キーンと俳句』(白水社

 中島隆博・選

本書はドナルド・キーン松尾芭蕉と俳句を通じてどう火花を散らしたかを描き切った佳作です。今後のキーン研究の礎になると思います。

 

佐藤康宏『若冲の世紀』(東京大学出版会

 中島康博・選

今年取り上げた浩瀚な書籍の中で本書は質量ともに抜群で、江戸の天才画家たちが中国絵画の想像力と格闘する様子がよくわかります。

 しかし、本書は14,300円もする!

 

 読売新聞では4冊だけだった。