東京日本橋小舟町のガルリH(アッシュ)で高山瑞展「やまびこ」が開かれている(4月30日まで)。高山は1993年神奈川県生まれ、2016年に武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業し、2018年に東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。グループ展にはいくつも参加しているが、今回が3回目の個展となる。
高山は木彫を作っている。その作品は奇妙だ。高山のテキストによれば、
……余白に書かれる文字と図像の関係性に焦点を当てています。(中略)
字を学び始めた幼い頃、教科書や黒板に書かれる文字を見て、「絵といっしょだー」と思いながら夢中でノートをとった記憶があります。教科書の頁には文字が書いてあり、その横に意味を示す絵がありました。往来してみることで両者を結びつけ、そこに音も加わって、私たちは文字を学んでいきます。互いに同じ意味を示すのに、かたちは全然違います。なのにたった数文字をみてそれがなにを示しているのか、どうして想像ができるのでしょう。
高山は木にひらがなを彫っている。時にその横に教科書のように意味を示す絵が彫られている。「ひ ふ み よ い む な や こ と」と一文字ずつ彫った作品もある。彫られたひらがなは柔らかく、とてもユニークな仕事だ。
初個展でも「王義之の蘭亭序」を彫っていた。昨年の個展を見逃してしまったのが残念ではある。
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高山瑞展「やまびこ」
2022年4月17日(日)―4月30日(土)
12:00-19:00(最終日17:00まで)月曜休廊
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ガルリアッシュ galerie H
電話03-3527-2545
※東京メトロ銀座線・半蔵門線 三越前駅A1・B6出口から徒歩5分
(高山の高はいわゆる梯子の高、瑞はみどりと読む)