ボリス・ランコシュ監督作品の映画『ソラリスの著者』を東京都写真美術館で見る。『ソラリス』の著者とはポーランドのSF作家スタニスワフ・レムのこと。これはレムを巡るドキュメンタリ・フォルムだ。今年がスタニスワフ・レム生誕100周年記念になる。
映画館で配布されるリーフレットから、
SF小説の金字塔「ソラリス」の著者スタニスワフ・レムの謎に挑むドキュメンタリー。ユダヤ知識人の家に生まれながらホロコーストを生き延び、SFの世界に新たな地平を切り拓いたレムの生涯と作品に隠された秘密を探る。レムの遺した8ミリ映像、フィリップ・K・ディックの未公開書簡、レム自身の朗読肉声も披露。
レムは偉大なSF作家に留まらず、真の意味での未来学者で哲学者だ。レムの関係者たちがレムについて語っている。戦中戦後レムがどのような厳しい人生を過ごしたか。ナチスとスターリニズムによって痛めつけられた結果が彼の作品に色濃く反映されているということを。
レムの日常や結婚した当時の奥さんや息子の映像、知人やポーランドの評論家の証言なども紹介されている。56分の長くはない映画だが、レムファンにとってはこたえられない内容になっている。私は今日の上映を見てきたが、この後も11月27日(土)16:50からの上映が予定されている。
「ポーランド映画祭2021」