東京外苑前のトキ・アートスペースで瀬戸理恵子作品展「濾過装置としてのリエコの身体」が開かれている(9月5日まで)。瀬戸は広島市生まれ、武蔵野美術大学油絵学科を卒業し、その後広島大学大学院美術教育専攻を修了している。1995年渡米、1997年ペンシルヴァニア大学大学院芸術科を修了し、米国各地のアーティストインデジデンシープログラムにて滞在制作し、1999年に帰国した。
ニューヨークを始め世界各国で個展を開き、最近は大阪の天野画廊やここトキ・アートスペースで個展を重ねている。
画廊の奥に段ボールで作られた立体作品がある。これは瀬戸自身の体型に添って作られたもので、屈曲した姿勢でそのままはまり込むことができる。小さな写真だったが、瀬戸がこの作品にはまっている姿を上空からドローンで撮影したものが展示してあった。
画廊の手前には薄く着色したようなカーテン状の作品が垂れ下がっている。これは何かと訊けば、使用済の紅茶のティーバックを開き、それを貼り合わせたものとのこと。紅茶メーカーによってさまざまな形があり、材質もいろいろなのだという。薄く着色しているのは、紅茶の色で、もう10年分のティーバックを貼り合わせている。
さらに壁には刺繍を施したような布状のものが展示されていて、こちらはティーバックに付いている糸を使って編んだり刺繍したりしたものらしい。
ティーバックの作品は、瀬戸の生活=歴史の象徴的な集積なのだろう。
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瀬戸理恵子作品展「濾過装置としてのリエコの身体」
2021年8月24日(火)―9月5日(日)
12:00-19:00(最終日17:00まで)月曜休廊
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トキ・アートスペース
東京都渋谷区神宮前3-42-5
電話03-3479-0332
http://tokiart.life.coocan.jp/