東京オペラシティアートギャラリーの五木田智央展と収蔵品展「日常生活|相笠昌義のまなざし」を見る

 東京オペラシティアートギャラリーで五木田智央展と収蔵品展「日常生活|相笠昌義のまなざし」が開かれている(6月24日まで)。
 五木田智央は1969年東京都生まれ。美術館のホームページから、

イラストレーションから出発した五木田智央は、60〜70年代のアメリカのサブカルチャーアンダーグラウンドの雑誌や写真にインスピレーションを得た作品を発表してきました。絵画をコラージュ的に構築する自由な発想や方法は、初期のドローイング制作に限らず、今日までの五木田の絵画全般において特筆すべき創作の原点といえるものでしょう。
黒と白のモノクロームを基調とした彼の作品には、計算されたグラデーションや陰影が生み出すクールでファッショナブルな魅力、シンプルな描線とデフォルメされた歪な造形のコントラストが醸し出すユーモアやノスタルジー、具象と抽象の間を自由に行き来するイメージの両義性など、じつに多彩な表現の可能性を発散しています。ときに思わせぶりで、ミステリアスなイメージや状況設定は、こうした視覚言語の豊かな可能性を引き出し、鑑賞者の想像力に強く訴えかけて、独自の絵画世界へと誘います。







 イラストレーションから出発したと聞けば納得できるものがある。平面的で、そこそこ写実的で、でも顔をつぶしたりしてフランシス・ベイコンを思わせて、現代美術風ではある。アメリカのギャラリーでよく売れているらしい。以前からときどき見てはいたが、まとめて見るのは初めてだった。どこが良いのか私にはさっぱり分からなかった。
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 東京オペラシティアートギャラリーでは同時に所蔵品展が行われている。以前は企画展のチケット(今回1,200円)を買わなければ所蔵品展を見ることができなかった。私がお願いして所蔵品展だけが見られるチケット(200円)を作ってもらった。
 現在所蔵品展は「日常生活|相笠昌義の眼差し」が開かれている。大きな部屋2室を使った大規模なものだ。相笠もあちこちで少しずつ見てきたが、まとめて見たのは初めてだった。駅で電車を待つ人とか、動物園で、海水浴をする人、交差点で待つ人など、遠景の人たちを描いている。少女の顔は岸田劉生描く麗子像のようにややつぶれている。色彩が沈んでいて地味なのだ。華やかさがどこにもない。上手な画家ではないと思う。
 今回五木田智央展と相笠昌義展が開かれているが、おもしろくないことが二人に共通していた。
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五木田智央展
収蔵品展「日常生活|相笠昌義のまなざし」
2018年4月14日(土)―6月24日(日)
11:00−19:00(土・日は20:00まで)月曜日休館
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東京オペラシティアートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2
ハローダイヤル03-5777-8600
http://www.operacity.jp/ag