ギャラリー21yo-jの前田哲明展を見る

 東京等々力のギャラリー21yo-jで前田哲明展が開かれている(6月10日まで)。前田は1961年東京都生まれ、1986年に東京芸術大学彫刻科を卒業し、同年安宅賞を受賞している。1991年同大学大学院博士課程満期修了、1997年に文化庁の在外研修員として1年間ロンドンに学んだ。
 1986年東京のギャラリーパレルゴンIIで初個展、その後ギャラリイK、村松画廊、ときわ画廊、ルナミ画廊、ギャラリーGAN、秋山画廊、またイギリスの画廊などで個展を繰り返している。特にときわ画廊では1990年から1998年までほとんど毎年個展を開いてきた。ここでは2014年以来2回目、2015年は平塚市美術館で個展を行っている。



 画廊のドアを開けると左手に天井の高い空間があって、そこがギャラリースペースになっている。元銀座でギャラリー21 +葉を経営していた黒田悠子さんの自宅の一角をギャラリーに改造している。その空間の中央に前田の鉄の作品が鎮座している。作品は高さ3m55cm、左右と奥行きがほぼ3mという大きさだ。鉄の円柱パイプを切断し溶接して大きな作品を作っている。前回と異なり底面の鉄板がなく、それぞれ3本の脚で立っている。表面はなめらかではなくごつごつした表情を作っている。以前見た作品に比べてぶっきらぼうな印象がある。即物的と言っていいのだろうか。今回の作品に比べると、今までの作品が鉄でありながら有機的な印象を与えていたのではないか。そのこと自体は作品の優劣とは無関係なのだが、前田の作品の方向が変化しつつあるのかもしれない。
 とは言え、それは前回との比較を極端に言ったことで、即物的とは言いながらどこかでロダンの「カレーの市民」を連想もした。大きな男たちが集まって協議をしている姿を思い浮かべてしまった。そんなロマンティックな連想は考えてもいなかったと作家から叱られそうな気もするが。

 入り口脇の小スペースにマケットとドローイングが展示されていた。海外ではいざ知らず日本では大きな前田の作品を個人宅に設置するのは難しいだろう。美術館や公共空間に設置されることを切に希望する。
 ギャラリーへは東横線大井町線 自由が丘駅正面口から徒歩10分、東横線 九品仏駅から徒歩8分とある。ギャラリーのホームページに駅からのコースが案内されているので、それを参考に行かれることをお勧めする。近くには大きな浄真寺という寺もある。
 開廊日は木・金・土・日なので注意をされたい。わざわざ行くに値する個展だ。
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前田哲明展
2018年5月24日(木)−6月10日(日)
13:00−18:00(月・火・水曜休廊)
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ギャラリー21yo-j
東京都世田谷区等々力6-24-11
電話03-3703-7498
http://gallery21yo-j.com