ギャラリーなつかの「たまびやき」を見る

 東京京橋のギャラリーなつかで「たまびやき」が開かれている(9月30日まで)。「たまびやき」は、毎年ギャラリーなつかで開かれる多摩美術大学工芸学科/陶/選抜作品展だ。今年は第9回になり、参加している作家は、石井あや子、玖島優希、李愛琳、榊美智子の4人。
 李愛琳の作品がおもしろい。李は1996年東京都生まれ。李の言葉、

潔癖症の人々が自分の手がどのように不潔に見えるかを表現しました。潔癖症を理解できない人にもその気持ちがちょっとでもわかりやすくなるような手袋です。






 榊美智子は李の対極の楽しい作品。榊は1997年神奈川県生まれ。榊の言葉、

お金は一箇所に留まることなく常に人から人に回っています。つまるところ、私たちはお金に翻弄されているのです。この作品では様々な宗教的要素を取り入れ混沌とした世界観を表現しました。ぜひ挑戦してみてください。

 榊の「ぜひ挑戦して」というのは、穴の開いた壺の中に入ったプラスチックのボールを取り出してみろということだ。ボールの中には1万円札が入っている。壺の横の穴に手を入れてボールを取り出そうとするが、穴よりボールの方が大きくて取り出すことができない。


 ギャラリーの大きなスペースには、玖島と石井の作品が展示されている。

 玖島は1996年広島県生まれ。玖島の言葉、

その場所にもとから存在していたようなもの、その場所にあることにすんなり納得するようなもの、そういった作品にしたいと思い制作しました。


 石井は1995年神奈川県生まれ。石井の言葉、

粘土にある「何か」が完成に近付くにつれ死んでいく感覚がありました。これは私の行為によって何かが死なない様に取り組んだ結果です。

 抽象的なオブジェのような塊が並んでいる。

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「たまびやき」
2017年9月25日(月)―9月30日(土)
11:00−18:30(最終日17:00まで)
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ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1F
電話03-6265-1889
http://gnatsuka.com/