『磯崎新と藤森照信の茶席建築談義』で紹介されているチョコレートハウス

 『磯崎新藤森照信の茶席建築談義』(六耀社)を読んでいる。そこに以前訪れたことのあったチョコレートハウスが紹介されていた。そのくだりを、

藤森照信  磯崎さんんい来ていただいたチョコレートハウスの茶室を設計しているときに、これは煎茶室をつくっているのではないかと思ったことがあるんです。それまで利休と自分という形で茶室を考えていて、煎茶を意識したことはなかったんですね。利休から学んだこともあるし、利休がやらなかったこともどんどんやっていて、その一つは外が見えるようにすることなんです。チョコレートハウスの茶室に背が高い磯崎さんが入って外を眺めているところを見て、僕がつくったのは煎茶席だと思わざるを得なかった。
磯崎新  あの茶室は煎茶席と言えると思いますよ。クライアントの児嶋さんも抹茶か煎茶かと聞かれれば煎茶タイプの人だと思うし。今日のテーマで言うと和様か唐様かということだけれども、チョコレートハウスはいかにも和様に崩された唐様ですね。





 クライアントの児嶋さんとは正しくは画家の児嶋善三郎のお孫さんにあたる兒島俊郎氏のことで、銅板葺きのチョコレートハウスの隣に、ブリキ葺きのギャラリー丘の上APTを作っている。どちらも藤森照信設計で、ギャラリーがオープンするときのパーティーに呼ばれていったので不思議な建物を見ることができた。そのことはこのブログに書いている。
 一番下の写真の窓に横顔が見えているのが藤森照信
       ・

丘の上APT
東京都国分寺市泉町1-5-16
電話042-207-7918
http://www.gallery-kojima.jp/
JR中央線国分寺駅南口下車、右斜めに走る大きな通りを真っ直ぐ進み、小さな野川を跨ぐ橋を渡ってすぐの泉町一丁目の信号を右折、まもなく左折して急な坂道を登り、登り切った左側に丘の上APTの銀色に輝くギャラリーが建っている。徒歩10分。

磯崎新と藤森照信の茶席建築談議

磯崎新と藤森照信の茶席建築談議