岡本太郎美術館の「つくることは生きること」を見る

 川崎市にある岡本太郎美術館で「つくることは生きること 震災《明日の神話》展」が開かれている(1月9日まで)。招待状をもらっていながらようやく見てきた。
 岡本太郎の常設展示の奥にこの企画が並べられている。安藤榮作の木彫があり、その向こうに大きな岡本太郎の作品「明日の神話」が展示されている。ほかに渡辺豊重の大作や平間至の写真、片平仁の作品、東北画は可能か?という作家名の作品などが展示されている。
 目当ては作間敏宏だった。「治癒」と題されたインスタレーションは、ギャラリーKingyoの個展で発表したもののいわばバージョンアップ版だ。





 崩れつつある農業用ビニールハウスの中に小さな電球がいくつも灯っている。電球の列はビニールハウスを抜け出て奥の壁を這い昇っていく。Kingyoでの展示とコンセプトは同じだが、やはり広く天井高の高い美術館の空間で見ると見ごたえがする。インスタレーション作品は、展示空間によって作品が規定されることもあるが、一方新しい空間に合わせて表現を再構築することができるという利点も持っている。作間の展示は空間に合わせて可変的に表現できるのが強みだろう。



岡本太郎明日の神話

渡辺豊重「動刻」

東北画は可能か?「方舟計画」
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「つくることは生きること 震災《明日の神話》展」
2016年10月22日(土)―2017年1月9日(月・祝)
9:30〜17:00(月曜休館)
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岡本太郎美術館
川崎市多摩区枡形7−1−5
電話044-900-9898
http://www.taromuseum.jp
小田急向ヶ丘遊園駅南口から徒歩17分