Steps Galleryの吉岡まさみ展を見る


 東京銀座のSteps Galleryで吉岡まさみ展が開かれている(4月25日まで)。吉岡は1956年、山形県生まれ。1981年に東京学芸大学教育学部美術科を卒業している。1982年に東京のかねこ・あーとGIで初個展、以来同画廊やときわ画廊、巷房などさまざまな画廊で個展を行ってきた。2007年からはアメリカやドイツなどでも個展を行っている。
 昨年は東京西麻布のMIZENKAギャラリーで壁に紙テープを貼るインスタレーションを行って、私もこのブログで紹介したことがあった。今回は吉岡の別のタイプの作品の展示がされている。
 ギャラリー58が入っているビルの5階へ行き、ギャラリーのドアを開けると目の前の広い壁に棒状のオブジェが規則正しく1列に並べられている。列に沿って視線を左にやると、その左側の壁面に同じオブジェが2本ずつ組になったものが3組展示されている。易の算木みたいだ。この形が美しくて見とれてしまった。そのまま視線を左の壁に移すと、縦に2本とか3本の組になったオブジェが4列並んでいる。今度はその並べ方に変化をもたせている。さらに左の壁、入口のすぐ右側の壁を見ると、6本のオブジェがまるで近接して置かれた磁石の針のようなある緊張感を持った形に壁面に止められていた。
 画廊の真ん中に立って周囲の壁面を見渡せば、画廊空間をいっぱいに使ったインスタレーションのような作品が見えてくる。それがとてもおもしろかった。オブジェの1本1本はむしろぶっきらぼうな印象を与えるものなのに、それが吉岡の構成によってこんなに見事に変化している。






 吉岡は実はこの画廊のオーナーでもある。その展示の仕方には定評がある。空間の扱い方をよく知っているのだ。今回の個展は写真ではその良さがよくは分からないだろう。ぜひギャラリーへ足を運んで作品を体験してほしい。
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MIZENKAギャラリーの吉岡まさみ展「The Secret Memory」が興味深い(2014年3月15日)

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吉岡まさみ展
2015年4月13日(月)〜4月25日(土)日曜休廊
12:00〜19:00(土曜日17:00まで)
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Steps Gallery(ステップス・ギャラリー)
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル5F
http://www.stepsgallery.org/
晴海通りから天賞堂GUCCIの間の道を入った右手、ギャラリー58の上の階