訴求力はあるが品のない広告


 新潮社のPR誌『波』8月号にコピー主体の広告が載っている「WEB本の雑誌」の広告が2点。


頭のよさそうな本を、
手にとっては挫折してきた。


訳知り顔で薦められる本は、
たいていつまらない。

 「全日本CDショップ店員組合」の広告が1点。


CDショップ店員がこそこそ集まって、
いい音楽を教えあっているらしい。

 クライアントは2社別々だけど、コピーとデザインを見ると制作会社とコピーライターは同一なのに違いない。「頭のよさそうな本」「訳知り顔」「こそこそ集まって」。いずれも否定的な言葉で、ふつうあまり広告には使われることがない。あまり使われない否定的な言葉は、だからインパクトが強い。それでこれらの広告が採用されたのだろう。これらは今月号だけではなく、もう何年も掲載されているように思う。初めは強いインパクトで印象にも残ったが、何度も眼にすると、むしろ印象は悪くなってくる。なるほど、否定的な広告は何度も露出させてはいけないのだ、という事を学んだ。