会田誠「カリコリせんとや生まれけむ」(幻冬舎)を読む。幻冬舎のPR雑誌「星星峡」に連載されたいるものをまとめたらしい。会田誠は売れっ子の現代美術作家。ミズマアートギャラリーの専属で、2007年には上野の森美術館で「会田誠・山口晃展」も開かれた。以前発行した小説「青春と変態」(ABC出版)は全編便所覗きの話だったし、マンガ「ミュータント花子」(ABC出版)はもうハチャメチャな内容だ。このマンガは最初会田誠の自費出版として、350部のコピー本で限定出版された。私はそのNo. 205を持っている。さて、「カリコリせんとや生まれけむ」から、
★成田空港から各駅停車で家路についた時、車中の女子高生を見て、また確信を新たにした。この国の女どもは「アメリカの最低ランクの売春婦」という、地球上で最も美から縁遠い女を模倣しようとしている。なんで白鳥が自らの輝かしい羽にウンコをなすり付けるような真似をするのか。
現代の抽象で高い評価を得ている岡崎乾二郎の作品のパロディーという人を食ったような作品も描いている。
岡崎氏は僕より一つ上の世代を代表する、業界ではとても有名な現代美術家である。氏の最近の代表的な作風を、表面的な特徴だけで言えば、厚塗りで、かつ余白をたくさん残すあっさりした抽象で、それにやたらと長いタイトルが付く(僕のこのパロディーの3倍くらいは長いのがザラ)、ということになる。
その会田が描いた作品がこれ。残念だがモノクロで印刷されている。しかし岡崎の特徴がよく出ている。
会田誠「美術に限っていえば、浅田彰は下らないものを誉めそやし、大切なものを貶め、日本の美術界をさんざん停滞させた責任を、いつ、どのような形で取るのだろうか。」
※(「 」内が作品のタイトル=引用者注)
草間弥生に対する容赦ない批判もある。
いくら国際的なアートワールドにおけるサバイバルに有効だからといって、一生水玉ばっかり描くような人生はイヤなんですよね。ピュアな天才みたいに言う人多いけど、ボクはあの婆さん、ただの策士だと思う。
会田誠ほど好き嫌いの多い画家も少ないだろう。概して真面目な女性たちは嫌っている。それも無理はないか。

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