浅川マキ亡くなる

 浅川マキが亡くなった。朝日新聞の記事から(2010年1月18日夕刊)。

 情念のこもった独特の独特の歌唱スタイルで知られる歌手の浅川マキさんが死去した。67歳だった。公演のため滞在していた名古屋市のホテルで倒れているのが17日夜、見つかった。愛知県警中署によると、死因は急性心不全とみられるという。
 石川県出身。キャバレーや米軍キャンプで黒人霊歌を歌い、1968年に故寺山修司さん演出によるひとり芝居に出演。70年に「かもめ」「夜が明けたら」などを収録したアルバム「浅川マキの世界」でレコードレビュー。寺山さん、北山修さんらが詞を提供した曲だけでなく、ビリー・ホリデーの曲など自身による作詞・訳詞も高い文学性が支持された。アンダーグラウンドを中心に活躍、山下洋輔さん、坂本龍一さんらと共演した。85年に網膜剥離で活動を中断したが、積極的にライブを行っていた。15、16日も名古屋で公演。最終日の17日に姿を見せなかったことから関係者がホテルを訪ね、浴室に倒れているのを見つけた。

 同じく朝日新聞の記事から、ピアニスト・山下洋輔さんの話

 詩と音楽をあれほど完璧に自分の中で一体化させて表現した人はいない。あの魔力に取り付かれると他の歌手が聞けなくなる。彼女は、気に入ったミュージシャンとは必ず共演を実現させ、私もアルバムで伴奏させてもらった。声がかかるのは一種の勲章だった。

 山下洋輔にここまで評価されるなんて何と名誉なことだろう! 以前ここでも浅川マキについて書いたことがあった。


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