週刊朝日編「ひと、死にであう」を読んで

 先に野良猫の死についての早坂暁の名エッセイを紹介した(id:mmpolo:20080227)。これが掲載されているのが週刊朝日編「ひと、死にであう」(朝日選書)で、死に関する名エッセイが並んでいるものと期待して読んだ。
 「週刊朝日」に連載されたリレーエッセイをまとめたもの。67人が1人4、5ページの分量で書いている。肉親の死や親しい人の死、友人の死、将来の自分の死や死生観、またペットの死などさまざまな死が語られる。しかしながら、早坂暁の「一度"死んだ"ぼくが送った猫」のみが傑作で、あとは何だか依頼されたので書いたみたいなものばかりだ。死の決定的な経験も紹介されているのだが、言葉が追いついていない。期待が大きすぎたのだろうか。