「ひょっこりひょうたん島」の世界

 「ひょっこりひょうたん島」はNHKの人形劇で、最初1964年に放映された。作者は井上ひさし山元護久、もう、とてつもなく面白かった。この年高校へ入学した私は、早稲田大学を卒業して赴任してきた世界史の教師小宮山先生から、面白い番組が始まったから見なさいと言われて見始めた。この時中学2年生のカミさんも同じ番組にのめり込んだらしい。
 初放映の約30年後に再制作されて衛星放送で放映された。娘が小学校高学年になっていたので親子3人で見て、ビデオにも録画した。初演の放送は当時ビデオテープが高価だったため一切残されなかった。台本も残ってなかったのに再制作できたのは、熱心なファンがいて当時詳細なメモを取っていたためだという。
 しかし時代の違いで半分以上が再放送できない内容らしい。つまり差別用語が満載なのだ。
 最近知ったことだけど、井上ひさしがエッセイで書いていた。ひょうたん島は死後の世界ですと。これには驚いた。たしか江ノ島みたいな島に遠足に行った時、島の火山が爆発しひょうたん島が漂流し始めたのだ。海賊や魔女など過去や異世界の者たちが現れるのは死者たちの世界だったからだ。全く分からなかった不明を恥じる。