東京両国のアートトレースギャラリーで戸田尚克展「ささらぐ」が開かれていた(8月26日まで)。戸田尚克は1995年東京生まれ、2022年東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。その後ドイツへ留学した模様。2018年熱海市のギャラリーで発表し、その後ベトナムやドイツのギャラリーで発表している。今年1月には天王洲セントラルタワーで2人展を行っている。
ギャラリーのホームページから、
戸田はこれまで、「場に付随する記憶」と「その場の複層性」を、インスタレーション、写真、映像といったメディアを通して視覚化を試みてきました。本展示では、浅草にかつて存在した凌雲閣、東京スカイツリータワーを着想点とした映像作品(2022年5月ドイツ、アイゼナハにて発表)を起点に、詩人やギタリストといった他分野のアーティストを交えたインスタレーション作品を展開します。映像作品に加え、浅草凌雲閣があったとされる地域や墨田区地域で採取された「街の拓本」を用いて制作された平面作品12点も展示されます。「風景」というものが客観的で、主体と距離を持った存在―単なる視覚的情報として処理される存在―ではなく、個人の内に内包された主観的なものでありつつも、そこに他者の存在も混ざり込む、有機的なものであることを提示します。
「街の拓本」とは、道路をフロッタージュして、それをコラージュして作品にしている。道路のフロッタージュという手法は以前にも別の作家で見ているが、戸田はフロッタージュしたものを素材としてコラージュして作品化している。その時、戸田の美意識が作品を見事に造形化している。
なお、作品がどれも八角形なのは、かつての浅草凌雲閣の平面プランが八角形だったためという。
最終日の夕方駆け込んで見られたのだった。
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戸田尚克展「ささらぐ」
2024年8月3日(土)-8月26日(月)
12:00-19:00(会期中無休)
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アートトレースギャラリー
東京都墨田区緑2-13-19 秋山ビル1F
電話050-8004-6019
https://www.gallery.arttrace.org/