東京北上野のいりや画廊で奥田誠一個展「surface-存在の揺らぎ―」が開かれている(6月22日まで)。奥田は1962年滋賀県生まれ、1985年に滋賀大学教育学部を卒業している。主に京都の画廊で個展を行ってきた。ここいりや画廊では2022年に個展を開いている。
ギャラリーのホームページに掲載された奥田の言葉。
燃え残った和紙の重なりを表層としたヒトガタの群体と切株が、様々にホワイトキューブ内に浮かび上がります。焼けこげ穴だらけで、皮一枚のヒトガタは、一見儚げではあるものの、強い存在感を発します。表層には、焼失によりできた形や焦げ跡が重なり、唯一無二の模様があらわれます。静寂と情動の移り変わり、或いは次々とオーバーライト(上書き)されるデータの渦にも見えます。ヒトガタと樹木の内部は、虚(ウロ)となっています。ウロと外の空間は、穴により繋がります。内界と外界が繋がり、ともに虚空(コクウ)となります。何もない空間が、すべての存在に繋がります。「虚と実」・「内と外」・「静寂と情動」の関係は、表裏一体なのかもしれません。
焼け焦げた和紙を表層とした人物像を作っている。焼け焦げた和紙には穴が開いており、立体作品が「surface=表層」で成立していることを示している。
天井から吊り下げられていたり、壁から床と平行に浮いていたり、表層でできていて中空なので可能な展示なのだろう。
平面作品も展示されていた。それは何だかタトゥーの皮膚を剥いでコレクションしたものを連想させたのだった。
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奥田誠一個展「surface-存在の揺らぎ―」
2024年6月10日(月)―6月22日(土)
11:30-19:30(土曜日17:30まで、最終日16:00まで)日曜休廊
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いりや画廊
東京都台東区北上野2-30-2
電話03-6802-8122