東京神宮前のトキ・アートスペースで代孟旋個展が開かれている(5月26日まで)。代孟旋は1997年中国青島出身、2019年中国の美術大学を卒業し、2023年創形美術学校を卒業、現在日本大学大学院芸術学研究科在籍中。
代孟旋は線香を使って作品を作っている。一見、単純に線香の焦跡を造形化しているようだが、その造形は言葉を表しているようだ。「燼の計画――愛していると伝えたい」と題された大きな作品は、アメリカの物理学者ファインマンが亡き妻に宛てて書いた手紙の点字を線香の焦跡で再現している。しかしこの点字は穴なので現実には盲目の人は読むことができない。ファインマンの手紙も亡き妻は読むことができない。そのことを作品として再現している。
他にも線香で作られた作品は造形的に美しいものに仕上げられていた。金箔で円形に仕上げられた作品もあった。大きな円盤が回転している作品は説明を聞いたがよく分からなかった。
線香で造形した作品といえば、20~30年前ころにギャラリー21+葉やギャラリー舫で発表していた小川陽を思い出す。最近は目にしなくなったが、まだどこかで発表しているのだろうか。
・
代孟旋個展
2024年5月21日(火)―5月26日(日)
12:00-19:00(最終日17:00まで)
・
トキ・アートスペース
東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F
電話03-3479-0332
http://tokiart.life.coocan.jp/