オペラ『パリアッチ(道化師)』を見る

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 24日は日経ホールでオペラ『パリアッチ(道化師)』を見た。レオンカヴァッロ作曲の二幕オペラ、日経ホールで1回限りの舞台だった。ちらしには、「妻ネッダの不貞を知ったカニオ(パリアッチョ)は、怒りと悲しみを隠し、道化芝居の舞台に立つが、次第に芝居と現実の区別がつかなくなる。そして・・・」とある。

 小さなホールで舞台も狭い。オーケストラの代りにピアノが1台、衣装も簡素だった。でも歌手たちが良かった。テノールの上本訓久、ソプラノのチョン・ウォルソン、バリトンの井上大聞と今井俊輔、そしてテノール水船桂太郎。『道化師』を見たのは初めてだったが、とても面白く楽しんだ。

 ただ小さな舞台で私の席も前から3列目で舞台に近かった。普通オペラは大きな舞台で公演することが多く、客席との間にオーケストラピットがある。客と歌手たちは結構離れている。でも距離が近いと歌手たちが生々しく見えてしまう。

 もしサザーランドやカバリエが間近で椿姫を演ったらそれは辛いかもしれない。普通は離れた舞台で演じるのを見ることになっているが。チョン・ウォルソンは美形で違和感があるとは思わないが。一体にオペラ歌手は声量の問題で太った人が多く、彼女らが結核で死にそうなヒロインを演じるのは小さなホールでは難しいのではないか。

 いや、今回の舞台は面白くてほとんど不満はなかったのだが。ないものねだりをちょっと書いてみた。