読売新聞の書評欄

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 週末の新聞には書評欄があり、新刊書の書評が掲載される。毎日新聞朝日新聞は土曜日に、読売新聞は日曜日に掲載される。書評欄は朝日新聞が3~4ページ、毎日新聞が3ページ、読売新聞も3ページだった。それが今日の読売新聞では2ページになっていた。

 しかし、よく見ると読売の書評欄の下端に載っているはずの全5段の広告がなく、全ページ書評になっている。すると2ページだが実質的に書評の分量は3ページと変わらないと言っていいかもしれない。

 書評欄を見るのは読書家が多いはずだ。だから出版社は書評欄に書籍広告を入れることを望む。書評欄以外にも1面下の書籍広告三八(さんやつ=3段8分の1)、雑誌広告三六(さんむつ=3段6分の1)、その他のページで全5段や半5段もある。幻冬舎文庫KADOKAWA文庫、角川春樹事務所文庫などでは時に新聞1ページを使った全面広告も出稿している。

 毎日や朝日の書評欄の下には必ず全5段の書籍広告が載っているが、最近の読売の書評欄には書籍以外の商品の広告が目立った。出版社が読売新聞の書評欄に書籍広告としての魅力を感じなくなったのかと思っていた。

 今日の読売のように、広告をなくせば3ページを2ページに減らしても影響はないように見える。だから一番大きい影響は書籍広告がなくなったことかもしれない。書籍広告は実は大事な情報源なのだ。まず読者がこれによって新刊情報を得る。さらに書店が仕入れの参考にする。この書店対策が重要なのだ。

 新刊書の数は膨大で大きな書店でもとても並べきれない。書店員は取次から送られてきた本の中から売れそうなものを選んで棚に並べる。この時新聞広告が選択の参考になる。また出版社の営業マンは書店員に働きかけて自社の本を棚に並べてくれるよう働きかける。

 私の個人的な好みからいけば、毎日新聞の書評が最も参考になった。次いで朝日新聞で、読売新聞の発する熱は少し低いように感じられた。だから読売に書籍広告が減っていたことも、今回1ページ少なくなったことも、驚いたけれどどこか納得できるものを感じた。

 新刊情報を得るために、長く出版社のPR誌も購読している。岩波書店の『図書』、筑摩書房の『ちくま』、東京大学出版会の『UP』、さらに講談社の『本』も購読していたが廃刊になるようだ。ほかに各社のTwitterのフォロワーにもなって新刊情報を入手している。でも新聞の書籍広告は基本なのだが。