読売新聞
読売新聞と毎日新聞の書評欄は毎週日曜日にそれぞれ3ページが充てられている。朝日新聞は土曜日に4ページ充てている。書評欄下の広告スペースは出版社にとって読書家が最も注目する場所だと思っていた。
3月1日の読売新聞の書評欄の2-3ページ目を見て驚いた。出版社の書籍広告がなかった。4分の3が求人広告、4分の1が精力剤の広告になっている。さすがに1ページ目は書籍広告だが、一つは文響社の脊柱管狭窄症に関するもの、もう一つが扶桑社のスマホ講座だ。
さすがに毎日と朝日は書籍広告が占めている。読売のこの現象は何だろう? 広告代は安くはないので出版社はコストパフォーマンスを重視する。つまり出版社にとって読売新聞は書籍の広告媒体として魅力がないということだろうか。
傍目に見ていて書評欄は毎日新聞が圧倒的に充実している。そのことについては昔丸谷才一が毎日新聞社社長に提言して改善したのだと誇っていた。イギリスの書評文化を日本でも実現したいと、長文の書評の提案など丸谷が進言したのだとエッセイに書いていた。おそらく毎日新聞の書評欄の並外れた充実ぶりは丸谷の功績に間違いはないだろう。
朝日新聞は書評欄に他社の3割増の4ページを充てている。しかし書評の内容では毎日に軍配を上げたい。読売は毎日同様3ページだが、イマイチ書評のレベルなのか、書評に取り上げる本のレベルなのかが低調に思われる。おそらくそんなところを出版社も見ていて、書籍広告の出稿を控えめにしているのだろう。