東京銀座のギャラリー58で中村宏展「1/4について」が始まった(10月31日まで)。中村は1932年静岡県浜松市生まれ、日本大学芸術学部美術学科に学ぶ。今年88歳になる。初めルポルタージュ絵画という社会的な絵画を描く。弱冠23歳で絵画史に残る砂川闘争を描いた傑作「砂川五番」を描いている。それはリアリズムとは異なり、シュールレアリズムの傾向を帯びていた。さらにモンタージュの技法を取り入れ、列車や飛行機、女学生などを組み合わせた不思議な画面を作っていく。列車に乗っている修学旅行中の女学生たちは皆一つ目だったりする。また雑誌の挿絵を描き、グラフィックの仕事も数多くこなしている。1970年代の若者たちのカリスマでもあった。
画廊のホームページの言葉。
本展では、新作「4分の1について」を中心に、絵画・ドローイングを発表いたします。
陰影法や遠近法、色彩論などの古典的な絵画技法そのものをモチーフとして組み込み、
遠近感と平面性、時間が交錯する“技法のモンタージュ”を試みます。
新作とあわせて、1960~70年代のドローイングと版画も展示いたします。
DMに使われた作品は今年描かれた新作で、「1/4」というのは顔の4分の1が描かれているからとのこと。
旧作のドローイングと版画は、「交接図」1961年、「少女舟」1970年、「聖少女・赤」1970年など。
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中村宏展「1/4について」
2020年10月19日(月)-10月31日(土)
12:00-19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
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ギャラリー58
東京都中央区銀座4-4-12 琉映ビル4F
電話03-3561-9177