東京都庭園美術館のキスリング展「エコール・ド・パリの夢」を見る

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 東京白金台の東京都庭園美術館でキスリング展「エコール・ド・パリの夢」が開かれている(7月7日まで)。ちらしに「エコール・ド・パリを代表する画家」とあるように、ポーランド出身のキスリングはパリに出てピカソ、ブラック、モディリアーニ、パスキンらと知り合った。若い頃はセザンヌキュビスムの影響も受けたようだが、写実的な画風に移っていく。
 写実とはいっても多少様式化されたそれで、官能的な裸婦や花を多く描いている。ただ、日本でも同時代の画家たちの個展が繰り返し企画されてきたのに比べて、キスリングの個展は珍しい。しかしそれは展覧会を見れば分かった。

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 以前、会田誠がエコール・ド・パリの画家たちについて、「少し趣味性に流れるような弱点があるように思います。モディリアーニマリー・ローランサンも大芸術家というふうには残っていない気がします」と書いていた。キスリングはそのモディリアーニのさらにランク下ではないか。造形的にも新しいものを生み出してはいない。キスリング展がなかなか企画されなかったのも納得だった。
 とは言え、そんな感想を持つことができたのは今回の個展を見ることができたからだった。この庭園美術館はもともと朝香宮邸だったもので、元来住宅のためあまり大きくはない部屋が並んでいる。絵画を展示するのに壁1面に1点か2点くらいしか飾れなくて非効率だ。しかも部屋ごとに監視のスタッフを配置しなければならず人件費もばかにならないだろう。もっとも美術館のホワイトキューブに展示する方が例外なのかもしれない。まあ、庭園美術館には新しいギャラリーも併設されていて、そこは現代的なホワイトキューブになっている。
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キスリング展「エコール・ド・パリの夢」
2019年4月20日(土)-7月7日(日)
10:00-18:00、休館日は第2・第4水曜日
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東京都庭園美術館
東京都港区白金台5-21-9
ハローダイヤル03-5777-8600
http://www.teien-art-museum.ne.jp
※美術館隣に東京国立博物館附属自然教育園があり、都心には珍しい大きな植物園になっていてお勧めです。