日本橋のギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アートで松山賢展「からっぽの偽物」が始まっている(11月27日まで)。松山は写実的で魅力的な若い女性を描いている。セクシーで胸が強調されることも多い。おっぱいが好きなのだろう。高い技術を持っていて写実的な作品を描いているが、写実画を目差しているのでもない。一昨年、新宿高島屋のギャラリーでは少女が巨大なカブトムシと手を繋いでいる作品も展示されていた。
今回の個展のちらしから、松山の言葉。
モチーフは、フィクションを構成するひとつの要素にすぎない。写真的写実な絵画作品では、モチーフと技法に興味が集中してしまうのも仕方のないことかもしれない。
絵画であるということも、作品というフィクションを成り立たせるひとつの方法である。日本画制作をやめて、「現代美術」作品を作り始めたのは立体作品だった。だから「画家」とか「ペインター」と人に紹介されると違和感がある。今回の個展は、2mくらいの絵画を3、4点展示する予定なので、そう呼ばれるのもしょうがないことなのだろう。
ここに紹介した作品のタイトルは「抽象ガール」と言う。ほかに背景に花の模様を彫り込んだ「彫りガール」というタイトルの作品もある。
松山の作品が諏訪敦のような写実画でないことはよく分かるのだが、なぜ「現代美術」なのかは分からない。しかし魅力的な作品であることは事実だ。
松山賢個展「からっぽの偽物」
2010年10月23日(土)−11月27日(土)
11:00ー19:00(土曜日17:00まで)
日曜・祝日休廊
ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート
東京都中央区日本橋3-2-9 三晶ビルB1F
電話03-3275-1008
http://g-sho.com