ギャラリー現の品川はるか展を見る

 東京銀座のギャラリー現で品川はるか展が開かれている(8月27日まで)。これは東京造形大学慶応義塾大学の共同企画による交流展「UNKNOWNS 2016」のひとつで、同時期に銀座の藍画廊でも菊池遼と瀬端秀也の2人展という形で開催されている。東京造形大学からは絵画専攻教授の近藤昌美教授が彼ら3人を選抜し、慶応義塾大学からは美学美術史専攻の有志大学院生3人が参加して、表記画家3人に対して批評するという企画になっている。
 ここではギャラリー現の品川はるかを紹介したい。品川はキャンバスに絵具を塗り、一部を剥がし幕のように扱っている。品川のタブローは具体的なイメージを喚起するというよりも、絵具という物質そのものを作品として呈示している。あるいは一部を捲り上げて幕のように見せることで一層物質的な側面を強調している。そのようにして作られた作品が美しく、完成度が高いというのは品川の感性の優れていることによるのだろう。





 さて東京造形大学の品川の先輩に高橋大輔がいる。東京オペラシティアートギャラリーのグループ展や川越市立美術館の3人展に参加している新進作家だ。高橋も絵具を物質的に使用する作品を作っている。もう一人東京造形大学の高橋の後輩作家(名前失念)で、絵具を物質的に使用している作家がいる。3人ともそのことを共通とするが作風は異なっている。やはり彼らに影響関係はあるだろうと思ったのだ。今回品川に会うことができなかったので、推測に留めたが。
 品川の作品に戻ると、この形式では若年にして完成の域に達しているような感がある。このあとどのような展開が待っているのだろうか。
       ・
「UNKNOWNS 2016」品川はるか展
2016年8月22日(月)−8月27日(土)
11:30−19:00(最終日17:00まで)
       ・
ギャラリー現
東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3F
電話03-3561-6869
http://g-gen.main.jp