東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで山森菜々恵個展「しばらくすると動く」が開かれている(5月21日まで)。山森は1991年石川県生まれ、2013年に金沢美術工芸大学工芸科 漆・木工コースを卒業し、現在同大学大学院博士課程後期課程在籍中。今回が初個展となる。
山森の文章を紹介する。
「捉えどころの無さ」というものがあります。雲のかたちが定まらないことや散り来る桜の花びらがつかめないようなことなど、それらが捉え難いのは、それらが動き続けるからです。それは、理解されると逸れてゆき、また理解が及ばなくなるという終わりなき運動です。
このことを、手芸・生活・女性的な感覚をもって表現しました。
山森は漆を使ってオブジェ様の作品を作っている。「お椀」やご飯を盛った「お食い初め」、「動物山水開かない手箱」など、一見機能がありそうなものをテーマにして、それを造形化している。山森の視線がとても面白い。「お食い初め」が茶碗に盛った飯だなんて、こんなものを作品化しようなんて普通思わないだろう。座布団に「お」と書かれているのは何かと尋ねると、意味のない文字を選んだ、それにこれは座布団ではなくパネルのつもりだという。いやクッションか座布団でしょう。おかしい。
「動物山水開かない手箱」
「おそるべき子供たち」
「お椀」
「お食い初め」
上に紹介した山森の文章はほんの冒頭部分で、それに続けて長い文章が書かれている。それを読むと山森はなかなか理論家で、その主張も興味深いものだ。今後これらがどんな展開を見せるのか楽しみだ。
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山森菜々恵個展「しばらくすると動く」
2016年5月16日(月)−5月21日(土)
10:30−18:30(最終日は18:00まで)
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ギャルリー東京ユマニテbis
東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F
電話03-3562-1305
http://g-tokyohumanite.jp/